自堕落日記

気ままに思ったことをつらつらと書く備忘録的なアレ

禁じられた遊び

 同じ題名の映画あったなぁとか思いながら読んでみたホラー小説なんだけど、久々の大外れで一周回った楽しさがあった。

 前半はなんとなーく和製ホラーな雰囲気が出てる。怨念とか呪いとか生霊とかそういう。そのまま和製ホラーな展開を期待して読み進めると、実はB級パニックホラーでした!! みたいな感じ。他の感想文読んでると登場人物がどうとか言及されてるけど正直それ以前の問題だと思う。ツッコミどころ満載な上に終わり方もデウス・エクス・マキナですよ、中盤辺りから「これもしかして外れ?」って思ってはいたけどさ。

 

 死んだ母親の指を土に埋めて、水をやって蘇らせる儀式っていうのは面白いと思ったの。でもまさか、実際に再生するとは思ってなかったよ……ゾンビものともまた違うよね。再生って……ってなりました。

 話が進んでいく最中はある種の降霊術だと受け取って読んでいたから、ポルターガイストが起きる描写とかが出てきて「ああ例の儀式で母親の霊が現世に戻って来てしまっているんだな」と納得できるんだよね。だけど現実に不完全ながらも肉体を持って蘇るっていうのはちょっと違うと思う。そのカラクリについてもそれはちょっと無理筋過ぎない? ってなるのもある。これが例えば蘇生させる為に人体実験をしていましたーとかならまだしも。完璧に超常現象として事を起こすなら、人知を超えた存在によるものじゃないと世界設定的に厳しくないかと。一般人がどうこう出来るカラクリじゃないような気がするのよ。特にキーパーソンになる登場人物がまだ小学生上がる前の子供ってなったら余計にね。7歳までは神の子と言われることもあるからそこと繋げるならまだしも、そういうの全くないからうーーーーんって感じ。

 で、じゃあどうやって事を収束させるつもりなのかと思ったらまさかのそれですか……って。力技にも程があると思うんだけどこれでええんかってがっくりきちゃったよ。いやまあ、そういうカラクリならそれが効くだろうことは分かってるけどさーとね。最後の描写に関しては何か不穏にさせとこ的な感じだけど、それまででどういう経緯で事件が起きたか知ってると別にそこまで不幸な未来にはならなそうよねって予想できちゃう。

 

 同じ世界設定で実質的な続編が出されてるっちゅーことだから、所謂前日譚みたいにしたかったのかもしれないし、今やホラー界の二大アイドルの一人でもある貞子も映画を文字に起こすとそうはならんやろってなるのは分かってるんだけどさ。あれも続編で最早SFじゃんってなったじゃん。だもんで普通に映像化したら視覚的な恐怖が出て良いのかもしれないね。そもそも論の話、ホラーが小説と相性悪い説もあると思うし。

 いうて文章だからこそ怖いっていうのだって普通にあるじゃん。私はホラー駄目だから意図的に避けてはいるけど、残穢とかは金字塔扱いされてるし。同じ流れを組む忌録とかも本の形式を取ってるからこその恐怖だし。小説化されていないもので例を挙げるならSCPのカノンである依談とかも質の高いホラー大量にあるし。だから表現の仕方だと思うのよね。

 

 最初からB級ホラーとして読み進めていれば別にここまで酷評するような感想を持つこともなかったんだろうな。湿っぽいホラーを期待してしまったのがそもそもの間違いだったんだと思う。んまあ、文章が読みにくいとかそういうのは無かったから読書するという行為自体は苦痛じゃなかったんでよしとするかね。